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平和記念式典であいさつをする石破茂首相=2025年8月6日午前8時35分、広島市中区、有元愛美子撮影

 広島への原爆投下から80年を迎えた6日、石破茂首相の平和記念式典でのあいさつは、首相のものとしては例年以上に注目を集めた。広島平和記念資料館を訪れたエピソードなど、石破首相独自の言葉が随所に盛り込まれ、首相は「『核兵器のない世界』と恒久平和の実現に向けて力を尽くす」と強調した。

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 「太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり」

 黒いネクタイ姿の首相は、式典でのあいさつの最後、「被爆歌人」と呼ばれた正田篠枝さんの短歌を2度、繰り返し読み上げた。会場の平和記念公園前にある「原爆犠牲国民学校教師と子どもの碑」に刻まれた歌。元の原稿では2度読み上げる予定はなかった。

 「あの歌に全て尽くされている。その光景を想起しただけで、どれほど悲惨なことであり、どれほどの悲しい、つらい思いがそこにあったか」

 首相は式典後の会見で、式典…

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